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新井 英彦
放射線利用における最近の進歩, p.183 - 192, 2000/06
近年、各種の有害物質や環境ホルモンによる上水・排水の汚染が世界的に大きな問題となっている。これらの物質による汚染濃度はppt~ppbレベルのものもあり、従来の水処理技術だけでは十分な対応が困難となっている。放射線照射による上水・排水処理技術は、これらの問題を解決する一つの方法と考えられ、世界の各地で研究が進められている。原研においても、これまで染色排水、汚泥脱離液の処理や下水放流水の殺菌処理技術の開発を進めてきた。本報告は、これらの状況を踏まえ、放射線照射による上水・排水処理技術について、その原理と特長について述べるとともに、各処理技術の概要についてまとめたものである。
伊藤 均
水, 39(549), p.16 - 26, 1997/00
放射線殺菌は食品の衛生化ばかりでなく下水汚泥や下水処理後の放流水の殺菌などに応用可能である。本研究では病原大腸菌やサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、リステリア菌など多くの食中毒菌の殺菌効果を比較すると共に鶏肉や下水汚泥ケーキの殺菌効果について検討した。その結果、病原大腸菌O157は一般の大腸菌と同じ放射線感受性を示し、サルモネラ菌やリステリア菌、ブドウ球菌より少ない線量で殺菌できることを示していた。鶏肉の結果では大腸菌群は1kGyで殺菌された。下水汚泥中では大腸菌群の殺菌線量は4kGyであった。従って、病原大腸菌も鶏肉などの食品中では1kGyで殺菌可能であり、他の食中毒菌類は大腸菌に比べ汚染数は非常に少ないため、1kGyで十分殺菌されると思われる。寄生虫も1kGyでは完全に殺減されると報告されており、10C以下の低温貯蔵と組み合せれば、食品や放流水の衛生化が十分可能である。
not registered
PNC TJ1205 95-003, 90 Pages, 1995/05
本研究の目的は、結晶質岩中における水理地質構造モデルを構築することであり、このための物質移行経路となる透水性割れ目の分布および連結性を試錘孔掘削時の水理応答観測、ボアホールテレビ検層、コア観察等の調査により把握するとともに、水理試験、非収着性トレーサー試験を行い、水理・物質移行パラメータを取得することである。平成6年度は、試験の準備段階として、1)試験対象エリアの水理地質学的構造を把握するためにKH-20孔(孔長100m)を掘削した。その際、KH-19孔に圧力トランスデューサーを設置し、KH-20孔掘削中のKH-19孔への圧力応答を連続観測した。2)KH-20孔においてボアホールテレビ検層、コア観察、流量検層を実施し、透水性割れ目の位置および水理特性を推定した。また、KH-19孔においても流量検層を実施した。3)KD-90坑道北側に新たに掘削されたアクセス坑道から、KH-19KH-20孔に水理試験・トレーサー試験用のパッカー装置を設置した。その結果、KH-20孔掘削中に、KH-19孔内で5箇所の水圧応答が観測された。また、ボアホールテレビおよびコア観察結果との比較により、透水性亀裂の位置をある程度絞り込むことができた。
電子線下水処理技術検討委員会
JAERI-Research 95-006, 65 Pages, 1995/02
日本原子力研究所で開発を進めてきた下水処理関連分野への電子線の利用技術に関する評価を行うため、理事長の諮問機関として電子線下水処理技術検討委員会が設置された。本報告書は、同委員会における下水汚泥の電子線殺菌とコンポスト化、下水放流水の殺菌、使用済み活性炭の再生、微量有機汚染物質の分解及び汚泥脱離液の処理に関する研究成果とその技術的及び経済的評価の審議結果をまとめたものである。
秋野 詔夫; 高瀬 和之; 久保 真治; 日野 竜太郎
第26回乱流シンポジウム講演論文集 1994, 0, p.176 - 179, 1994/00
水循環装置に平行平板間流路を取付け、その平板に各種の表面を張り付け、流れ方法の圧力降下を測定し摩擦損失を評価した。同時に、レーザー流速計を用いて、主流流速の測定を行った。その結果、リブレット面、及び、縦リブ付きd形粗面の乱流摩擦抵抗が、約2x10以下のレイノルズ数領域で平滑面より低減していること、及び、同じレイノルズ数領域で流路中心部の乱れ成分(流速変動/平均流速)が減少していることを見いだした。すなわち、平行平板流路内流れの乱流摩擦と主流のに乱れ成分の間に相関があることを見いだした。
新井 英彦
地下水汚染・土壌汚染の現況と浄化対策, 0, p.323 - 331, 1993/00
現在、汚泥脱離液あるいはトリクロロエチレンのような、従来の水処理技術では処理が困難な難分解物質の新しい処理技術が要望されている。電子線照射によると、これらの物質も生物が分解しやすい物質あるいは無害な物質に変換することができる。本報告では、著者らが進めてきた汚泥脱離液及び排水中のトリクロロエチレンの処理技術の研究の成果及び外国における研究成果をまとめて、地下水の浄化技術の開発の参考とした。
橋本 昭司
下水道研究会報告書,No.14, 0, p.27 - 29, 1992/00
下水処理場において、下水汚泥の殺菌、下水流流水の殺菌、汚泥脱離液の処理、汚泥の濃縮ならびに汚泥の脱水促進に電子加速器を用いる場合、小さい出力の電子加速器を複数台用いて個々の処理を行うよりも、大出力の電子加速器1台を共通に用いることにより経済性の向上が期待される。本報告では、1台の電子加速器を各処理工程に共通に用いる際のシステム化と、そのときの経済的効果の概略を紹介する。
渡辺 宏
バイオ電磁工学とその応用, 0, p.648 - 655, 1991/00
環境問題の中で大気汚染と同時に水の汚染も深刻である。放射線は水の消毒と浄化に有効な手段であり、これまで上水、下水汚泥、下水放流水などを対象として研究が行われてきている。ここでは下水汚泥、下水放流水を中心として放射線による殺菌処理に関するこれまでの研究成果を紹介した。
宮田 定次郎; 近藤 正樹*; 峰村 隆司*; 新井 英彦; 細野 雅一; 中尾 彰夫*; 清家 康彦*; 徳永 興公; 町 末男
Radiation Physics and Chemistry, 35(113), p.440 - 444, 1990/00
下水放流水の塩素殺菌処理の代替法としての電子線照射法の実用性を評価する目的で、公共下水処理場から入手した放流水を用いて、容量100mlのシャーレによる回分式実験ねおよび小型試験装置による流通式実験を行った。その結果、電子線照射により大腸菌は効果的に殺菌されその効果は放流水のpH、ss、COD、DO及び温度に影響されないことが明らかになった。しかし、殺菌効率は液深の影響を顕著に受け、大腸菌群を99.9%殺菌するのに5.6、及び7mmの液深でそれぞれ0.39、0.40、及び0.44kGyの照射が必要であることがわかった。
近藤 康雄; 田所 啓弘; 菱田 誠; 岡本 政治; 田中 利幸; 佐野川 好母
JAERI-M 84-179, 54 Pages, 1984/10
多目的高温ガス炉に用いられる高温配管において、内部断熱層内の仕切板が破損したときに生じる透過流れを解析する計算機プログラムを開発した。本プログラムは、仕切板で区切られた一層の断熱層を一相系二次元モデルで取扱った。断熱層内の流体運動はDarcy則を適用し、断熱層内の流体の温度は局所的に断熱層の温度に等しいと仮定した。運動方程式及びエネルギー方程式の数値解に当たっては加速リープマン法を適用し、解の発散を避けるために中央差分を用いた。断熱層内の対流が定常状態、又は強制対流の大きさが自然対流に比べてかなり大きい擬定常状態においては解は速やかに収束した。入力データ、出力データ及びそのフォーマット及びプログラムの各要素とそれぞれの機能を付録に説明した。
横山 裕*; 梅原 隆司*; 田中 徳彦*; 川原田 義幸*; 金子 哲治*; 藤井 和美*; 岩波 勝*; 石岡 真一*; 加藤 千明; 上野 文義; et al.
no journal, ,
海水および淡水等が注入された福島第一原子力発電所13号機は、廃炉までの長期間、腐食環境に曝されると考えられる。特に炉心冷却のための注水を行っている配管は炭素鋼製であり流水環境に曝されているため、事故後から将来に亘る腐食挙動の把握が必要である。本発表では、第一報に引き続き、流水下での注水配管材料の腐食挙動に及ぼす水質の影響について報告する。
横山 裕*; 梅原 隆司*; 金子 哲治*; 田中 徳彦*; 川原田 義幸*; 藤井 和美*; 岩波 勝*; 石岡 真一*; 加藤 千明; 上野 文義; et al.
no journal, ,
海水および淡水等が注入された福島第一原子力発電所13号機は、廃炉までの長期間、腐食環境に曝されると考えられる。特に炉心冷却のための注水を行っている配管は炭素鋼製であり流水環境に曝されているため、事故後から将来に亘る腐食挙動の把握が必要である。本発表では、希釈人工海水の流水下での注水配管材料の腐食に対し、タングステン酸ナトリウム、亜鉛/炭酸ナトリウム混合リン酸塩及び亜鉛/モリブデン酸ナトリウム混合リン酸塩を防錆剤に用いた場合の抑制効果の検討結果について報告する。